考古学vsモルモン書

モルモン書の批判に接したことがある方には今から述べることは既知のことでしょう。私にとっても今更のことなのですが、これは避けては通れない事実なのです。

考古学、歴史学の攻撃にモルモン書には耐えられません。

モルモン書には当時アメリカ大陸に存在しなかった動植物鉱物などが登場します。これだけでモルモン書がインチキだという証明になります。以下、列記してみましょう。

1. 家畜・動物(生態系の矛盾)

古代アメリカのニーファイ人、レーマン人たちが「飼育し、生活や戦争に役立てていた」とされる動物たちですが、これらはすべて1492年にコロンブスがヨーロッパから持ち込むまで、アメリカ大陸には一頭も存在していませんでした。

2. 金属・テクノロジー(文明度の矛盾)

モルモン書には、鉄や鋼、真鍮などの高度な冶金(金属精錬)技術が登場し、それらで作られた武器やドーム、道具が描かれています。しかし、当時の古代アメリカ文明(マヤやインカの前駆文明など)は基本的には「石器時代」から「初期の青銅・金銀の装飾技術」の段階であり、鉄器文明は存在しませんでした。

3. 農作物・テキスタイル(食料・衣服の矛盾)

中東のユダヤ人がアメリカに渡ってきて、元の文明と同じように栽培したとされる作物や衣類ですが、これらもすべて外来種です。

4. 宗教・言語・その他の概念

モルモン教サイドはこれらの学術的批判にどのように応えているのでしょうか。

概ね三つの方法に限られます。

① 「限定地理説(Limited Geography Model)」

モルモン側の主張:
「モルモン書に登場する全滅戦争や文明の舞台は、アメリカ大陸全体(北米から南米まで)の話ではない。実は中米のマヤ周辺など、ごく狭い限定的な地域(数百キロ圏内)だけで起きた出来事なのだ」

狙いと矛盾点:
こう主張すれば「アメリカ大陸全体を探して遺跡が出ないのは当たり前」と言い訳できます。しかし、これまでの公式な教義では「先住民全員がレーマン人の子孫(モルモン書のタイトルページに明記)」とされていましたし、ジョセフ・スミス自身も「ニューヨーク州のクモラの丘で最終決戦があった」と語っていたため、ジョセフの言葉や本来の教義と真っ向から矛盾する、苦肉の「後付け理論」です。

② 「名前のすり替え(言語の借用)理論」

モルモン側の主張:
「モルモン書にある『馬(ウマ)』や『牛(ウシ)』『鉄』という言葉は、現代の私たちが知っている動物や金属のことではない。新大陸に渡ったリーハイ一族が、現地にいた未知の動植物を見て、自分たちの知っているエルサレムの言葉(馬や牛)を便宜上当てはめただけだ」

具体例:
・ウマ ➡ バク(獏) や タピール のことだった。
・ウシ ➡ バイソン(野牛) や ヤギ のことだった。
・鉄、鋼 ➡ 黒曜石(石器)や、他の何らかの合金のことだった。

「タピールが戦車を引っ張っていた」というあまりにも無理のある絵面を正当化しようとしており、アメリカの脱会者の間では今でも爆笑を誘う最大のツッコミネタ(ミーム)になっています。擁護論者は恥ずかしくないのでしょうか?

タピールの戦車
タピールの戦車
バクの騎兵隊
バクの騎兵隊
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