看板はキリスト教だが、「モルモンの神」その異様な正体
モルモン教の正式名称は「末日聖徒イエス・キリスト教会」と言います。この名前だけを見れば、誰もが「イエス・キリストを信じる、キリスト教の一派なのだろう」と思うはずです。しかし、その実態は正統キリスト教とは全く異なっています。彼らが一体どのような「神」を信仰しているのか、その異様な神観からモルモンの真の姿を暴いていきましょう。
① 「三位一体」の否定:別々に存在する3つの神
正統的なキリスト教においては、神とイエス・キリスト、そして聖霊は「唯一の神が3つの姿(位格)として現れたもの」とする「三位一体(さんみいったい)」の神学をとります。神は本質的に「お一人」のです。
しかし、モルモン教はこの三位一体を真っ向から否定します。彼らの教義では、天の御父(神)、イエス・キリスト、聖霊は、それぞれが完全に独立した別々の存在であるとされています。この三神格をまとめては「神会」と称します。神とイエス・キリストは肉体を持ちます。これだけを理由に「モルモン教は多神教」と言う人もいますが、実態はもっと複雑です。モルモン教は「一神教」と言えます。ただし非常に特殊な、オカルティックな「多神教」でもあるのです。
② ネズミ算式に増え続ける「神々」のオカルト
モルモンの神は、ひとつの世界(例えば私たちの住む地球)では一人です。しかし、世界はたくさんありそのそれぞれに神会があるとされます。宇宙全体ではには数え切れないほどの神が存在しているというのがモルモンの奥義です。そして、宇宙の神々はそれぞれが元は人間男子であり、進化(神化?)した者なのです。以下のような驚くべき出世システムなのです。
| 教義の項目 | モルモン教の主張・実態 |
|---|---|
| 神の正体 | かつてどこか別の世界(惑星)で暮らしていた「元人間(男性のみ)」 |
| 神になる条件 | 地上で教会の戒律を完璧に守り、神殿で女性と神殿結婚を果たすこと |
| 死後のゴール | 「昇栄(しょうえい)」し、自らが主宰する新しい宇宙や地球を創造する |
つまり、現在の地球の神(エロヒム:Elohim)は、宇宙に無数にいる神々のひとり(地球担当)に過ぎません。現在のモルモン男性信者たちも、神殿の儀式と教会の戒律を守り通せば、将来は同じように「自分自身の世界を創る神」になります。神が神を生み、その神がまた次の神を生む――。宇宙のあちこちで神々がネズミ算(マルチ商法)のように無限に増殖していくという、およそキリスト教とはかけ離れたSFやオカルトのような世界観。これが, 彼らがひた隠しにする「救いの計画」の最終ゴールなのです。まともな理性を持っていれば、一体誰がこんな話を信じるというのでしょうか。
③ 突き付けられる論理的破綻:最初の神は誰なのか?
この「人間が神になり、その神がまた人間を創る」という無限ループのロジックを聞けば、誰でも当然、次のような疑問(矛盾)に行き着きます。
「今、この地球を支配している神は、最初の神から数えて何代目なのか?」
「そもそも、一番最初の『初代の神』はいつ、どうやって始まったのか?」「神より上位の神がいて仕切っているのではないか?」
モルモン教の理屈では「すべての神には、かつて人間だった過去があり、その上にさらに親となる神がいる」ことになります。しかしこれでは、始まりが存在しなくなります。もし「最初の神」がいたとするならば、その神は「人間だった時代」がないはずであり、彼らにとって最も重要な「人間は神になれる(神もかつて人間だった)」という大前提の方程式が、最初から完全に崩壊してしまうのです。
④ 「天の母(神の妻)」の不可思議
さらに奇妙なのは、神には「妻たち(天の母)」がいるという教義です。女神ではありません。モルモンの世界では女性はあくまでも神の妻でしかありません。ここでモルモン教義による天地創造前の説明をしておかねばなりません、「人間の起源(前世)」の教えでもあります。
モルモンでは、私たちはこの地球に生まれてくる前、天界で「霊の体」を持って暮らしていたと教えられます(これをモルモンでは「前世」と呼びます)。そこから順番に創造された星に生まれていきます。では、その何百億、何兆という霊の子供たちはどこから来たのかというと、天の御父が一人で創ったのではありません。肉体(骨肉の体)を持った天の御父と、同じく肉体を持った「天の母(神の妻)」が、天界で実際に夫婦交わり(生殖活動)を行うことによって、次々と「霊の子供」を妊娠・出産したというのです。(※詳細は、当サイトの別ページ『コラム:モルモンの神と性』をどうぞ。)
神が新しい世界を主宰し、そこに住まわせる霊の子供たちを無限に増やすためには、天の御父一人では不可能ですから、妻(それも多数)が必要だという理屈なのです。しかし、これほど重要な役割を担っている「天の母」の扱いは極めて不当です。彼女たちは「女神」として崇められるわけではありません。ただの「子供を産むための機械」のようであり、教会の公式な祈りや説教の中で彼女たちの名前が呼ばれることも、彼女たちに向かって祈ることもありません。もちろん、ここにはモルモンの持つ根源的な性差別があります。
私たち人間の人生や救いに「一切関与してくることはない(関与してはならない)」という、不可思議な陰の存在に追いやられているのです。これは地上の一夫多妻の教義が天でも行われているということにして、正当化しようとしたからです。
結論:これはキリスト教ではない!
これらの数々の疑問、論理的破綻、逆説的な矛盾について、現代のモルモン教の預言者(大管長)や指導者たちは、何も答えられません。それどころか、現代の教会は、外部からの批判や一般信者の不信感を避けるため、かつての預言者たちが堂々と語っていた「人は神になれる」「自分自身の惑星を持てる」といった不都合な教義を、公式ホームページやパンフレットから「なかったこと」にするかのようにひっそりと隠蔽し始めています。
・「唯一の神」を否定し、神々がネズミ算式に増えるマルチ商法的な宇宙観。
・神が天国で生殖行為をして霊の子供を量産するというドロドロとした肉体性。
・存在を隠蔽され、祈ることも許されない「天の母」という不気味な歪み。
看板に書かれた「イエス・キリスト」という美しい偽りの光に騙されてはいけません。キリストの贖い(あがない)による救いなどそっちのけで、人間がルールを守って神々へと出世していくこのシステム――こんなものは、断じてキリスト教ではありません。キリストの名を巧妙に盗用した、ただの「19世紀アメリカ生まれの、多神教的オカルト新興宗教」なのです。