ご案内します!モルモン神殿
第三回 神殿結婚・結び固め
結び固め
熱心なモルモンなら誰しも憧れる「神殿結婚」。行われるのは結び固めの部屋、英語では Sealing Room(シーリングルーム)です。あなたも憧れますか?こっそり、入ってみましょう。
結び固めの部屋(Wikipediaから)祭壇と合わせ鏡。参列者は神殿服を纏っている
真ん中のひざまずける柔らかなテーブルのような物が『祭壇』。挟み込むように向かい合って鏡が置かれていますよ。合わせ鏡になっているので、祭壇にひざまずいた二人はずらずらっと永遠に続く演出になります。どうですか?
え?なんです?ガマの油売り?
また、そんなこと言って!ここはとても神聖な場所で、ここでは永遠を感じないといけないのです。よろしくお願いしますよ。
あなたが神殿結婚する男性なら、日本ではまず、役所に婚姻届を提出して市民結婚をしておかねばなりません。その上でエンダウメントを受けて、ベールのところで妻となる人の「新しい名前」を聞きます。忘れちゃダメですよ。それから「ありがとう! 僕の新しい名前は○○」なんて返事しちゃダメですよ。モルモンは男性絶対優位の気高い宗教なんですから、女子が教えても男子は秘密です。そのまま、この部屋に進みます。はい!そうです。あの奇妙な、しかし神聖な神殿服を着たままです。祭壇の周りの椅子は参列者のためです。参列できるのは神殿推薦状を持つ者だけです。
結婚式自体はあっさりしたものです。「神殿結婚」と日本人は改まって言いますが、モルモンの儀式としては生きている人の結婚も死んでいる人の結婚もひとくくりで「結び固め」(Sealing)です。そんなに時間は掛けてられないのです。結び固めの権能を十二使徒から受けたシーラーと呼ばれる神殿ワーカーさんが式を執行します。結婚する二人は祭壇を挟んで向かい合うようにひざまづき、手をエンダウメントで習ったメルキゼデク神権第二のしるしの握り方(確かな釘のしるし)をします。その上に手を置いて祈ります。これはアドリブなしで、言葉も決まっていますよ。
これで終了です。賛美歌を歌ってくれる聖歌隊もライスシャワーもありません。さっさと着替えてロビーや庭で待つ友人家族に会いに行きましょう。
私の時は指輪の交換は司式者の配慮によってその時間を取ってもらえましたね。今もそうしてくれると思います。ただ、エンダウメントの会場には指輪を持って入れなかったので、神殿職員の方にあらかじめお願いして持ち込んでおいて貰うなど、大変でしたよ。
祈りの言葉にあるようにモルモンの結婚は永遠です。キリスト教の結婚式などで牧師は「死が二人を分かつまで・・・」と述べるのを捉えて、「既存の教会は夫婦、家族の関係は死によって終わると教えている」と非難しますが、これはとんでもない言いがかりです。「死が分かつ」というのは一時的な別れであり、永遠を明言しなくとも夫婦家族はイエス・キリストによって永遠なのです。これは何度も正統派キリスト教側から反論が行われていますが、モルモン側は言い続けています。とにかく何でもモルモン教は「我々の権能で・・・」というスタイルです。教会があれば神もキリストも要らない、というのが透けて見えるのが神殿であると言えますね。
バプテスマフォント、死者のバプテスマ
さて、地下へ行きましょう。こちらは死者のバプテスマをするためのバプテスマフォントがありますよ。水中にはバプテスマの執行者、身代わりに受ける人がいます。祈りは生きている人へのバプテスマとほとんど同じです。執行者はモニターに出てくる名前をみて、次々受礼者を流れ作業で沈めていきます。今は穏やかになりましたが昔はもうくたくたになるくらいハードだったと言いますね。ふらふらになってしまうと、それが逆に素晴らしい体験と思えてしまいます。これぞまさにカルトの精神ですね
同様に別室では聖霊のバプテスマである按手礼が行われていますが・・・、もう良いですか?
神聖なる流れ作業
ざっとこれが神殿で行われていることなんですよ。普通の感覚であればこんなもろもろに神聖さを感じるわけもないのです。それを神聖であると思えるのは、あらかじめ「神殿とは最も神聖な場所である」と刷り込まれ、信じ込んでいるせいなのです。そこにあるのはベルトコンベアのようなオカルティックな儀式の連続でしかないのです。
ツアーはここまでですが、最後に絶対秘密の部屋をご紹介しますね。この部屋はどこにあるのかもほとんど知られていません。そこで行われる儀式は真面目な信者の頭の血を沸騰させるものなのです。(続く)