ご案内します!モルモン神殿
第二回 エンダウメントへようこそ

エンダウメントの前に予備知識が欲しい?わかりました。簡単にお話ししておきましょう。神殿はとにかく神聖なところとされて、肝心なことは皆目教えてもらえないですからねえ。

さっきのイニシアトリーはどうでした?ずいぶんオカルティックで面食らった?まあ、あれでもマイルドになった方なんですよ。エンダウメントはイニシアトリーの比ではないですよ。仰るとおり、予備知識を入れておいた方がよいです。

神殿の中のことは大体が秘密とされています。エンダウメントでは特に守秘が厳しく求められます。覚悟してください。もっとも、モルモンを辞めた人は神殿の秘密を漏らしまくっていますがね。YouTubeなど神殿の暴露動画を見ているだけで一晩過ごせるくらいです。神殿での誓約は人に猛烈な恐怖を植え付けます。神殿の約束を捨てることは全く救いのない来世に行くことを意味するからです。実際、この恐怖から脱するのに私も相当苦しみました。今、ネットで暴露と告発をしている元モルモンの方々の勇気には本当に頭が下がります。

エンダウメントは一口で言って映像での教育とより深いモルモン信者になるための誓約の儀式なのです。その誓約で信者へのマインドコントロールを完成するのがモルモンの手口です。はい!そうなんです!だからそんなに信者も多くないのに神殿を作って、身代わりの儀式で何度も何度も(名簿をリサイクルまでして)エンダウメントを受けさせるのです。

① 映像とアロン神権の儀式

今ではエンダウメントルームというホールで映像を見せて進行していますが、昔は星の栄えの部屋とか月の栄えの部屋とかに分かれて、役者が演じて儀式を執行していたそうですよ。今は世界の神殿全てが映像に変わっているようです。

映像は天地創造のお話しから始まります。天父エロヒムと霊の身体のエホバ、それから奇妙なことに霊の子で天使のミカエルが登場します。概ね創世記の冒頭の天地創造の物語なのですが、モルモンの教義では「ミカエルが地上に来てアダムになる」と言うことになっているのでミカエルが登場します。肝心の儀式はもう少し先です。はっきり言って寝ていても問題ありませんよ。

でも、ちょっとだけ横道にそれて「エロヒム」と「エホバ」の解説をしておきますね。これはこのことだけでも「モルモン教アウト!」となる内容です。

さて、天地創造が終わって、人類の創造です。知恵の実を食べてしまって、アダムとイブはエデンを追放されることになります。ここから視聴者参加が始まります。映像は止まってホールは明るくなるので寝ていても目が覚めます。

ここで手持ちの袋からイチジクの葉を象徴するエプロンを出して身につけます。

エデンを追放された二人はルシファーの誘惑を受けることになりますが、助っ人に登場する三人のイエス・キリストの弟子ペテロ、ヤコブとヨハネに追っ払われてしまいます。創世記の時代が舞台なのにイエスの弟子とは奇妙でしょう。それと、ルシファーが去る前に会衆の方をにらんで捨て台詞のような呪いの言葉を言いますが、映像ではここが最高潮です。教会もルシファー役に一番の役者を当てると言われています。

昔の映像だとルシファーは牧師を連れて顕れ、金を貰った牧師は二人に教えを説くシーンがあるのですが、ここは1990年の改革で全面的にカットされました。正統キリスト教会からの猛抗議を受けてといわれていますね。すでにエンダウメントの内容は知る人ぞ知る状況でした。

② エンダウメントの本番:「しるし」の授与

さて、エンダウメントの本番「しるし」を授かる時が来ました。ここは絶対の秘密を求められます。罰を受けることも覚悟し宣言します。

しるしは全部で「四つ」です。それぞれに「誓約」「形」「グリップ(これをしるしと言うことが多いです)」「名前」があり、1990年までは「罰の動作」がありました。全てを並べて説明しますね。

まず、前段階として、腰に巻いたエプロンをいったん脱ぎ、ローブを右肩から左腰に掛けて、サッシュ(帯)、キャップ(男性)またはベール(女性)を着て、その上からエプロンを身につけます。
え?エプロンはイチジクの葉で作った下着だろう?なぜ、上から身につける?
ホント、ヘンですよね。調理場の人みたいになってますねえ。でも、すみませんがここは理屈抜きで先に進ませてください。
1990年までは初めはローブを左肩に掛けていたのを途中で右肩に掛け替えていたのですが、めんどくさいことと進行に支障を来すと言うことで最初から右肩掛けするようになっています。妥協ですね。

[第1段階]アロン神権 第一のしるし

[第2段階]アロン神権 第二のしるし

アロン神権の二つのしるし(グリップ)
アロン神権の二つのしるし(グリップ)wikipediaより

ここで映像の止まったホールの照明は明るくなり、星の栄えの世界から月の栄えの世界に進んだことを感じさせます。

[第3段階]メルキゼデク神権 第一のしるし(通称:釘のしるし)

[第4段階]メルキゼデク神権 第二のしるし(通称:確かな釘のしるし)

メルキゼデク神権の二つのしるし(グリップ)
メルキゼデク神権の二つのしるし(グリップ)wikipediaより

③ 魔術的な祈りの輪

気づかれましたか?厳粛で秩序正しくひたすらに進行するエンダウメントですが、ここまで全く祈りがないのです。秘密の授与と遵守の誓いばかりで信仰の場所とは思えないのです。同じtempleでも仏教寺院とずいぶん違います。

でも、ここでようやく祈りの時が来ます。有志は男女同数前の卓(祭壇)に集められ、男女交互に並びます。映像の時にはすやすや寝ていた隣の人がすくっと立ち上がって参加したりして軽く驚いたことを思い出します。祭壇の上には世界の信者から寄せられた祈りの言葉が入った封筒があります。それを中心にして、仕切り役の神殿職員にあわせて、両手を上から下に下げつつ「おお神よ、わたしの口の言葉をお聞きください(Oh God, hear the words of my mouth)」という呪文のような祈りの言葉を三度繰り返します。そして仕切り役が声を出して言葉を句切りながら祈りますが、会衆はそれを鸚鵡返しに繰り返します。

この祈りの輪も1990年にマイルドになったんです。昔はここの言葉は「ペイ・レイ・エル(Pay Lay Ale)」という「アダム語」とされる呪文だったのです。どうです、凄くオカルトチックでしょう。薄気味悪いと不評でこれも現代の言葉に改変されたのです。そもそも「アダム語」などというものはあり得ないオカルトの世界です。

祈りの輪
祈りの輪wikipediaより

④ クライマックス:ベールの審査と「日の栄えの部屋」

エンダウメント最後の段階はベールを抜けて日の栄えの部屋への案内です。天上から床まで垂れ下がったベールは本当に見事なものです。しかし、よく見ると痛々しい切り込みが見えます。これらはフリーメイソンのマークの形をしています。

ベールの真ん前に導かれたあなたは日の栄えへの最終審査を受けることになるのです。さっきまで習った4段階をベールの向こうの神様役の神殿職員相手に実演しなければなりません。彼が穴を通してあなたの手を握ります。最初はアロン神権第一の握りを交わして「これは何か?」と聞かれますので「アロン神権第一のしるしです」とか間違いなく応答してゆかなければなりません。

間違えたら?アウト?いえいえ、大丈夫です。あなたのそばにはカンニング役の職員が付いていて、答をささやいてくれます。どこかの料亭の若社長のように頭が真っ白になっても大丈夫です。

ところが、最後のメルキゼデク神権第二のしるしの名前が厄介です。べールの前で初めて教えて貰うのですが、今まで自分の名前だったり「御子」だったのが突然長文を言われます。ここは素直にささやき役の職員に頼りましょう。ようやくあなたはベールの向こうから「お入りなさい」と手を引っ張られて日の栄えの部屋に入ります。(ここも昔は「入れ!」と偉そうに言われましたが、マイルドになりました)

後は日の栄えの部屋でくつろぐだけですが、私はこの日の栄えの部屋に一番失望しました。確かに超豪華な調度品で飾られた最高級ホテルのロビーラウンジ風なのですが、ただそれだけで、一言で言うと成金趣味でしかないのです。エデンの楽園感も寂静な趣もありません。結局、こんなところという脱力だったというのが本音です。

あなたはどう感じられるでしょうか。この神殿のエンダウメントにがっかりして、モルモンを離れる若者が続出しています。それをつなぎ止めようと教会側はガーメントを世俗的にしたり、エンダウメントの内容をマイルドにしてきました。エンダウメントはモルモンのマインドコントロールの完成であるので、ここで目覚められては元の木阿弥になってしまうのです。

長くなりましたがエンダウメントは以上です。神殿結婚・永遠の結婚の部屋それと死者のためのバプテスマフォントへと参りましょう。(続く)

💡 さらに詳しく知りたい方へのリソース

もっと詳しくという時のために英語ですが役に立ちそうなウエブサイトをあげておきます。

他にもたくさんあるようですから、いろいろ検索してみて下さい。

「モルモン神殿の裏側に迫る」へ

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