ご案内します!モルモン神殿
第一回 イニシアトリーとガーメント

初めて神殿へのご参入ですね。どうぞご安心を!
私1980年代神殿参入経験者の「やわお」がご案内いたします!

既に推薦状はお持ちですね。OKですよ!面接の時、ちょっと嘘言った?なになにふむふむ……。まあそれくらいなら大丈夫!推薦状持ったもん勝ちですよ。大船に乗ったつもりでね。さあ、入って、入って。

① 始まりの密室:イニシアトリー・オーディナンス

初めは「Initiatory Ordinances(イニシアトリー・オーディナンス)」とか「Washing and Anointing(洗いと油注ぎの儀式)」という儀式です。

1980年代は布きれ一枚引っかけてその下は素っ裸という出で立ちでこの儀式を受けたもんです。胸、お腹、背中、太ももに聖水を、続いてオリーブオイルを付けられるんですよ。そのときに呪文のような祈りを執行者は唱えます。恥ずかしくてねえ、何を祈っていたかは憶えてませんよ。それからガーメントという専門の下着を着せてもらいましたね。当時は上下が繋がったものだったので、なかなか着るのが大変でしたわ。

あ!ご安心を!2000年に入ってから徐々に改変されて、いまは素っ裸の儀式も上下一体、つなぎのガーメントもなくなりましたから。現在は先にツーピーススタイルのガーメントに着替えて、その上から白い服を着て、水も油もおでこにちょいと付けるだけですから。

そりゃあ、一生懸命戒め守って、やっと来た神殿であんな気持ちの悪い儀式を受けたら信仰心が吹っ飛ぶ方々がいてもおかしくはありませんよ。特に女性にはきつかったようですね。今ならセクハラ?いやあ全くその通りですよ。

え?世の初めからの神聖な儀式がどうして変わっちまったのか?
まあ、そこら辺は大目に見て。ころころ変わって来てるのはイニシアトリーだけじゃないんでね。

② 秘密のパスワード「新しい名前」のカラクリ

イニシアトリーが終わったら、あなたには「新しい名前」が与えられます。これは忘れてはいけません。人にも教えてはいけません。女性は神殿結婚する夫には神殿のベールのある場所で一回だけ教えます。夫になる男性はその名前も憶えておいてあげてくださいよ。

とは言ったものの忘れても実は大丈夫!儀式を受けた日を思い出せれば大丈夫。昔は電話で、現在はオンラインで調べることができますから。え?なんでかって?

神殿の「新しい名前」って日替わり(カレンダー式)なんです。今日あなたが貰う名前はね、ほらあそこの人もあっちの人も、みーんな同じ名前なんですよ。

さあ、お進みください。出てらしたら、今昔のガーメントの歴史をお教えしますよ!


聖なる下着「ガーメント」そのびっくりな変遷

ガーメントって、本来は神の命によって定められた永遠で不変のものなんですよ。しかし、大きく変わってきているんです。歴史的に4つの時代に分けられるんです。

【第1期】1840年代〜1920年代:絶対不動の『全身つなぎ』時代

手首から足首までを完全に覆う代物で、素材も粗い綿や麻。ちくちくゴワゴワで、当時の信者は大変だったでしょうね。ガーメントの「しるし」も今のものよりもくっきりはっきり付けられていますよ。右胸に『直角定規(スクエア)』、left胸に……あ、左胸に『コンパス』のしるし。へそと膝にまっすぐな線で「へそのしるし」と「膝のしるし」が付いています。

胸の二つはフリーメイソンの「しるし」のパクりですね。もちろん、モルモンサイドは「パクったのはメイソンの方だ(あちらが堕落させた儀式をこちらが復元した)」と主張していますが……。

そうですよ、真夏でもこれを着たままです。トイレ?前立ては紐で縛っていたようですね。大便の用足しのため、後ろはお尻の部分が完全に開いていたようですよ。

【第2期】1920年代〜1970年代:世間に屈した『半袖・膝丈』時代

ファッションの近代化で、さすがに手首・足首までの下着は「洋服からはみ出て恥ずかしい」という不満が噴出。ついに教団は屈服し、袖は「肘(ひじ)まで」、裾は「膝(ひざ)まで」に短縮することを許可したんです。ようやく前立ては「ボタン」へと変わり、開いていたお尻の部分も閉じられました。神の絶対的な変更不可の啓示が、俗世間の流行に敗北しちゃったんです。

でも、FLDS(モルモン原理主義者なんて言ったりしますが)の連中は今もかたくなに全身タイプのガーメントを着ているそうですよ。多妻結婚も続けてますしね。

【第3期】1979年:利便性の勝利『ツーピース』の誕生

とうとう『ツーピース(上下別)』が誕生しました。「つなぎ」の着脱やトイレのことを考えてください。それはもう苦行ですよ。時代の要請ってやつですね。ただ、この改革は保守的なモルモンには大いに不評でした。「日常生活ではツーピースもやむを得ないが、神殿の儀式(自分自薦)では正式な『つなぎ』を着用せよ」というようなことも言われましたね。正式な通達だったのか、信者間の忖度だったのかはわかりませんが、私の時はそうでした。そんな堅苦しいこと言うのやったらFLDSになれよ……。おっと、独り言です。

そういえば、斉藤由貴さんもこの時代に神殿結婚されていますね。神殿は月曜日休みなのですが、教会のイメージアップのための広告塔ということもあって特別扱い(月曜日に貸切挙式)でした。まあ、普通の開館日だったらファンやマスコミが殺到しておおごとになったでしょうからね。
え?不倫してた彼女に神殿結婚は有効か?どうでしょうねえ。彼女は非モルモンの不倫相手さんに自分の夫の男性用ガーメントを見せて写真まで撮ってたそうですね。それだけでも会員の籍がどうなるかレベルの問題なのですが……。モルモン信仰がなくなった今の私にはもうどうでも良いことです。

【第4期】2020年代〜現在:限界突破の露出と多機能『ユニクロ化』

さて、世俗の攻勢はもはやとどめることもできません。今はまさにガーメント改変第4期です。今、イニシエーションを受けられて良かったですねえ!アウターからはみ出さないよう、胸元が激しく開いた「超ディープVネック」や、股上が極めて浅いボトムが登場しました。さらに直近では、肩を大胆に出せる「ノースリーブ(キャミソール・タンク型)」までが登場していますよ。

素材も、かつてのゴワゴワ綿布の面影はなく、伸縮性抜群の「ストレッチコットン」や、通気性・速乾性を重視した「ポリエステル・メッシュ」といった優れものが公式ストアに並んでいます。

え?なんです?
「それならわざわざ神殿の高いサブスク(10%の什一献金)を払ってまで買わないで、ユニクロに行く」?

はい!ごもっともです(笑)。

さあ、次は映画館のような大部屋に移動して、いよいよエンダウメント本番にご一緒しましょう。(続く)

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