大阪神殿建設記念!神殿死者の名簿の大疑惑
関西の信徒たちの悲願であり、多額の献金と労力を投じて建設中の「モルモン大阪神殿」。アメリカ生まれの新興宗教の神殿、そのなかでは一体何が行われているのでしょうか。
既に日本では1980年建設の東京神殿以来、4箇所(東京・福岡・札幌・沖縄)のモルモン神殿があります。日本のモルモン教徒の公称信者数(名簿上の信者)は13万人(実勢アクティブ信者数はその15~20%)に過ぎません。本山ユタ州(32箇所)ではアクティブ信者約3万人に一軒の神殿がありますが、日本ではアクティブ率を多めの20%と仮定すれば、約6,500人に一軒の神殿があるということになります。日本にそんなにたくさんの神殿が必要なのか、そんな資金がどこにあるのか疑問に思われるでしょう。実は教勢が振るわないからこそ、神殿が必要なのです。モルモン教徒は神殿の儀式を受けるために戒めを守ります。収入の10%を献金し、教会のために無償奉仕し、酒もたばこもコーヒーも茶も飲まず、日曜日には必ず教会に行きます。そして、死後は「昇栄」という最高の世界へ進む(神と神の妻になる)のです。定期的に神殿へ参入し儀式を受けることは彼らにとって最重要な戒律なのです。
モルモン教は信者の献金と、悪名高い資産運用等で金満です。神殿を建てるくらい訳もありません。むしろあまりに資産を持ちすぎているために、アメリカ当局(内国歳入庁など)に目を付けられているほどです(もっと宗教・慈善活動など宗教団体本来の用途に金を使えということです)。教団は神殿を建てて少し資産を減らすくらいの方が都合が良いのです。神殿に参入しようと信者たちはますます熱心に戒めを守り、献金をします。これは確実な「投資」なのです。さて、その神殿ではいかなる儀式が行われているのでしょうか。
1. そもそも神殿で何をしているのか?
モルモン教において、一般の礼拝堂(教会)と「神殿」は全く異なる意味を持ちます。神殿は、選ばれた資格のある信徒だけが足を踏み入れることができる神聖な場所です。参入者は「推薦状」を保有しています。さっき調べると、この神殿推薦状もモバイル版があって、ペーパーとモバイルどちらかを選択できるそうです。(なんか俗っぽく感じるのは私が昭和だから?)
ここで日々行われている主要な儀式が、「死者のための身代わりのバプテスマ(洗礼)」や本人と死者のための身代わりの「エンダウメント」です。(儀式の詳細とその異様さは別項で述べます)
この項で取り上げるのは死者のための儀式についてです。モルモンの教えでは、生前に「モルモン教の福音」を聞かなかった者や、受け入れないままに亡くなった人々は、霊の世界(霊の獄)に行きます。そこで反省し、救われるのを待っているとされます。要するにモルモン式のバプテスマを受けなければならないのに肉体がないので、地上の人間が「身代わり」となって神殿で儀式を受けてあげなければならないのです。霊の世界の死者はバプテスマを受け入れるかどうかは自身が選ぶとされています。死者総モルモン化というとてもオカルティックな教義です。しかしここは、あまり気にせず続きを読んでください。
モルモンの宣教師に会わなかった古今の人をモルモン教徒にするために、モルモン教は世界中の信者に「先祖を調べ系図を作り、死者の名簿を提出しなさい」と号令しています。その熱量はなかなかのものです。自分で調べた「系図」を持って信者は神殿に行きたい。神殿に行くにはしっかり献金などの戒律を守ろう、となるわけです。モルモン教は他の一部カルトのように「七代前の先祖を救うために全財産を……」などとえげつないことはやりません。モルモン教の手法はもっとソフトでスマート、かつ確実です。
2. 世界を怒らせた「ホロコースト被害者への儀式執行」
自分の祖先の探求など頑張ってもたかが知れています。日本では差別に繋がるとして戸籍謄本・除籍謄本などの取得は厳しく制限されています。これは他の国でも同様です。
モルモンの神殿は世界に(建設中・発表済含め)約350箇所あります。そこで死者の儀式を毎日執行すればどうなるでしょう。あっという間に対象の死者はいなくなってしまいます。そこで、血縁関係に関係なく知っている死者を名簿登録するという裏ワザです。それでも間に合わないので、死者の名簿は何度も繰り返し使われるという禁じ手も出ました。
新聞でも報じられたのでご存じの方も多いでしょう。モルモン教はホロコースト被害者の名簿を使って、彼ら彼女らを勝手にモルモン教徒にしていたのです。しかも、何度も何度も。
- 1990年代前半: モルモン教会が、ナチスの虐殺被害者や生存者を含む約38万人以上のユダヤ人の名前を勝手にデータベース(IGI)に登録し、身代わり儀式を行っていたことが発覚。
- 1995年の「歴史的合意」: ユダヤ人団体からの猛抗議を受け、教会は「ホロコースト被害者の名前は、直系の親族信者からの申請がない限り、一切儀式を行わないし名簿から削除する」という公式な合意書に署名。
- 2002年の裏切り発覚: ユダヤ系の調査員(元モルモン信徒のヘレン・ラドキーら)が教会のデータベースを調べたところ、合意後も数万人規模のホロコースト被害者の名前が削除されず、依然として儀式が続けられていたことが発覚し再び大炎上。
- 2008年〜2012年: 教会は新しいフィルターシステムを導入したと発表。しかし、信徒たちが網の目をかいくぐり、有名人やホロコースト被害者の名前を偽名や変名、あるいはそのまま入力して儀式を強行し続けていたことが次々と暴露されました。
実例を挙げましょう。「アンネ・フランク」は少なくとも9〜12回モルモンのバプテスマを受けています。判明しているだけで1989年から2012年の間に、世界各地の異なる神殿で身代わりバプテスマを執行されています。直近で大きな国際ニュースになったのは2012年2月です。ドミニカ共和国のサントドミンゴ神殿において、アンネ・フランクに対する身代わりバプテスマが密かに完了していたことが、データベースの流出によって発覚しました。1995年の合意など完全に無視されていたのです。
ユダヤ社会からの猛反発はバプテスマをただ繰り返したせいだけではありません。「ユダヤ人としてのアイデンティティゆえに虐殺された人々を、死後に勝手にモルモン教に改宗させるな。これは死者に対する霊的な冒涜だ」という本質的な怒りからです。
このホロコースト被害者問題は、ヘレン・ラドキー(Helen Radkey)という元モルモンの調査によって明るみに出ました。彼女はモルモン教を恐れることなく、証拠データをメディア(AP通信など)にリークしました。
2010年代以降、海外の巨大掲示板Redditの「Ex-Mormon(元モルモン)」コミュニティなどで、複数の元神殿ワーカーによる内部告発が相次ぎました。そこでは、死者の名簿が「在庫切れ」となるため、儀式執行済みの名前を「未完了」としてリサイクルしている実態などが暴露されています。
3. 死者の名簿の不正は世界的
告発者の情報では、歴史上の有名人や系図の明らかな人々は、勝手に死者の名簿加えられどんどんモルモン教徒に改宗させられています。教会が勝手に名簿に登録して世界を怒らせたのは、ユダヤ人だけではありません。ローマ教皇や仏陀、預言者ムハンマド、ガンディーもモルモン教徒にされています。ローマ教皇庁(バチカン)は信徒のデータが勝手に使われることに対して、2008年に「モルモン教徒にカトリックの記録を見せるな」と公式にアクセスを遮断しました。他宗教への敬意を欠いたモルモンの独善。内部告発者らの暴露は良心によるものなのです。モルモン教は猛省すべきでしょう。
さらに調査や流出データによれば、日本の歴史的偉人や系図のはっきりした家系は既に死者の名簿に加えられています。執行の有無はわかりません。先に述べたように日本では過去の戸籍の管理が厳格であるため、系図探求は困難を極めます。一方で長い歴史に興味をもつ人たちが多く、名簿のターゲットにされてしまうのでしょう。しかし、例えばNHK大河ドラマの毎年の主人公が、密かに全員モルモン教徒にされているなんて、日本人は想像すらできないですよね。
4. 根本的な疑問:イエス・キリストの贖い(あがない)があっても、この儀式は必要なの?
ここで、キリスト教の根本的な教えからは大きな矛盾が浮かび上がります。
「モルモン教は自らをキリスト教と言うが、イエス・キリストの十字架の贖いは死者に及ばないのか?」
正統派キリスト教の信仰では、イエス・キリストが十字架にかかり、全人類の罪のために流した血(贖い)の力は「無限かつ完全」であり、それだけで人間の救いには十分であるとされます。イエスを知る人も知らぬ人も、信じる人も信じない人も等しく神の絶対的な主権と愛の前に委ねられます。神の愛と力は全能であり、地上の人間組織が作った「名簿」の有無や、身代わりに水に潜るという物理的な手続きによって制限されるものではありません。
全知全能であるはずの神が、人間が作ったシステムや、教会の名簿管理の不手際、さらには信者の名簿使い回し(リサイクル)に縛られている――。これは、イエスの贖いを「無視」し、教団の権威を神以上に高めるための歪んだ教義ではないでしょうか。