コラム

文豪マーク・トウェインが激辛レビュー!
「モルモン書は印刷されたクロロホルムである」

モルモン教の本拠アメリカでは様々な有名人がモルモン書批判を行っていますが、絶対に外せないのが『トム・ソーヤの冒険』などの名作で知られる文豪、マーク・トウェインです。

彼が1872年の著書『ラフィング・イット(西部放浪記)』の第16章などで展開したモルモン書批判は、なかなか辛辣です。彼の真骨頂である「鋭いユーモアと文学的センス」に満ちた極上の風刺として、今なお最上級のモルモン批判として伝説となっています。

トウェインは、これほど大層な風を装っていきながら、あまりにも退屈で眠気を誘う本もないとして、モルモン書をひとことで「印刷されたクロロホルム(麻酔薬)」と切り捨てました。たしかに冗長な繰り返し、粗雑な描写、あり得ない展開、大人が書いたのかと疑うような悪文。退屈さで、意識を失った方々も多いのではないでしょうか。

モルモン書を読んで眠るマーク・トウェイン

「モルモン書は印刷されたクロロホルム」

こうした読書の苦痛は、トウェインにとっても同様でした。彼は書中頻繁に登場する「And it came to pass(読んで字のごとく、そして、このようなことが起きた)」という言葉について、「もしジョセフ・スミスがこの言葉を省いていたら、彼のモルモン書はただの(薄い)冊子になっていただろう」と皮肉りました。このフレーズさえなければ、分厚い本のボリュームは4分の1以下になっていたはずだという、キツイ批評ですね。

トウェインの言葉に応じてこの「And it came to pass」がどれくらい出てくるのか計算した人もいます。なんと、1,404回も登場するのです!モルモン書全体の章の数が「239章」、総節数が「6,604節」ですので、単純に計算すると「約4.7節に1回」という、凄まじいハイペースでこのフレーズが繰り返されているわけです。ジョセフが忠実に翻訳していたと仮定しても、金版の歴代記載者は貴重なスペースをなんと無駄にしているのでしょう。

実際、4分の1以下にはなりませんが、聖書の完全コピーのところも抜けばモルモン書は70パーセントのボリュームになります。

ところで、日本で有名な著作者がモルモン書を批評したことがあったでしょうか。管見ですが見当たりません。私の友人の普通のクリスチャンは「モルモン書?宣教師に貰ったけど、あれは読めたものじゃないね。途中で返したよ」と言っていました。論評にも値しない、ということです。そう思うと文豪マーク・トウェインに読んで評価をもらえただけでモルモン書は幸せだったと言えるでしょうね。